Report of the Clinical Trials Subcommittee

 

Penny A. Asbell, 1 Fiona J. Stapleton, 2 Kerstin Wickström, 3 Esen K. Akpek, 4 Pasquale Aragona, 5 Reza Dana, 6 Michael A. Lemp, 7 and Kelly K. Nichols 8



本分科委員会の目的は、マイボーム腺機能不全( MGD )の臨床試験から得られたエビデンスの要約を示すこと、そしてこの情報を活用して、最も良い方法と考えられる MGD の臨床試験デザインを推奨することである。

筆者らは、治療研究または観察研究を検討するために、 PubMed および Medline の文献( 2009 年末まで)を検索した。検索語には、( MGD に加えて)後部眼瞼炎、マイボーム腺疾患、瞼板腺疾患などの、 MGD と区別なく使用されることが多い用語を用いた。アメリカ眼科学会( AAO: American Academy of Ophthalmology )の分類方式に従い、各研究のエビデンスレベルを分類した( Table 1 )。要約すると、レベル I のエビデンスとは、少なくとも 1 つ適切に実施された、デザインの優れた無作為化比較対照試験から得られたエビデンスである。無作為化比較対照試験のメタアナリシスもこれに含めることがで きる。レベル II のエビデンスとは、デザインの優れた非無作為化比較対照研究またはデザインの優れたコホート/症例対照分析研究から得られたエビデンスであり、治療介入実 施の有無にかかわらず、複数の臨床施設または複数の時系列研究から得られたエビデンスであることが望ましい。レベル III のエビデンスとは、記述的研究、症例報告、専門家委員会/団体の報告(例:外部査読を経てのパネル委員の合意)から得られたエビデンスである。各レベルの エビデンスに関する詳細は「管理および治療に関する報告書」の Table 1 に記載されている。一部には、試験デザインに関する説明が暫定的な分類に過ぎない不十分なものもあった。なお、最近の公表論文( 2009 年 8 月以降)は Table 1 から意図的に除外した。

新しい治療の安全性および有効性を判定する際に、プロトコールのデザインにおいて必要となる、以下の重要な要素別に論文の検討を行った: 目的、デザインおよび方法論、患者群、選択基準、除外基準、評価項目判定基準、治療、統計学的考察 。 筆者らはまた、 ClinicalTrials.gov に登録されていた臨床試験のうち、重要な試験デザインの特徴の要約が記載されている臨床試験の評価も行った。さらに、登録されている研究の重要なデザイン の特徴の要約および今後の研究に関する推奨事項も提案している。

今回の総説および要約は、眼疾患および MGD の臨床試験における経験など、委員会の個人的な専門的知識に基づくものでもあった。 2009 年 3 月に最初の検索を実施し、 2009 年 7 月に検索の更新を行った。 26 報の適切と思われる論文 1-26 を特定し、これらについて検討を行った。

委員会委員は論文の精査を進める中で、公表論文の研究実施者は研究方法を明確に説明していないことが多いという事実に気づいた。その結 果、互いに他の委員から独立して検討を行った各委員は、入手可能なデータについて異なる解釈を述べることが多かった。本要約にはそれらの多様な解釈が記載 されている。

デザインの優れた無作為化比較対照試験としての基準を満たす公表論文はきわめて少ない。レベル I に分類された 3 試験以外にも、複数の無作為化比較対照試験が実施されている。一部は被験者数がきわめて少ない非盲検試験であり、研究の統計解析計画に関する情報が不十分 であるように思われた。筆者らは、これらの比較的小規模な非盲検の研究から引き続き得られる情報によって、大規模な無作為化プラセボ対照二重盲検試験が実 施されるようになることを期待している。

検討する重要なテーマ

研究の目的

概要および結果: 今回検討を行った 26 報の研究 1-26 の重要な目的およびデザインの要約を Table 2 に詳細に示す。これらの公表論文 26 報中 25 報は MGD の治療の実施に関する報告であった。この 25 報のうち 24 報が介入研究であると判定された。 26 報中 22 報( 84.6% )は 1 つの治療法の有効性の評価を目的としたものであった。 26 報中 9 報( 34.6% )は非比較研究であった。残りの研究のうち、大部分の研究では評価対象の治療法と温熱療法や人工涙液などの従来型治療または緩和的治療との比較が行われた のに対し、いくつかの研究では比較のために無治療の対照群が設定された。

試験デザインおよび方法論

概要および結果: MGD の臨床研究は、主に参加者 40 例未満の短期( 3 ヵ月未満)研究であった。大部分は前向き研究であったものの、無作為化比較対照のデザインを採用したのは半数未満であり、二重盲検試験は 3 報に過ぎなかった。

精査した研究のうち 24 報( 92.3% )は介入研究であった。この 24 報のうち、外科的介入を評価した研究は 1 報に過ぎず、医療機器を評価した研究は 2 報で、残りの研究はサプリメント、薬物介入、温罨法の有効性を評価したものであった。

大部分の臨床試験( 26 報中 21 報、 80.8% )は前向きな要素を含んでいた。予備的後ろ向き研究を評価した報告も中にはあった。検討した 26 報中 16 報では対照群(例:正常群/健常群)とプラセボ群のいずれかが設定されたのに対し、 7 報は比較対照研究



TABLE 1. Evidence Levels of Eligible Trials (in Chronological Order)


比較対照研究であったが、対照群の明確な定義が一律には行われていなかった。ウォッシュアウト期 間や併用治療の管理などの重要なデザイン要因について言及がない、あるいは詳細が明確に記述されていないことが多かった。 26 報中 10 報( 38.5% )は無作為化研究に分類された。すなわち、 7 報では群間の無作為化が実施され、 3 報では両眼間の無作為化が実施された(対側眼には別の治療が実施された)。 1 報を除いて無作為化の方法の説明は省略されていた。例えば、誰が無作為化を実施したのか、あるいは無作為化をどのように実施したのかについては不明であっ た。二重盲検研究として実施された試験は 26 報中 3 報( 11.5% )に過ぎず、他の 5 報では、研究実施者または写真撮影/干渉像の分類の盲検化が実施された。

コメント: 全体として、本稿に記載されている研究の圧倒的多数は前向き研究であったものの、 MGD の領域における前向き無作為化二重盲検試験の実施数は不十分である。これらの研究は小規模で実施期間が短い傾向が認められた。無作為化の方法、選択基準お よび除外基準、許可された/禁止された併用治療の明確な選択に関する情報は、大部分の研究で不十分であった。より厳格な方法を研究デザインに導入するとと もに、生物統計学的方法を採用すること(様々な有効性評価項目の取り扱いに関する明確な方法も含む)は、この領域の研究においてより決定的な結果を得るた めの必要条件である。

患者群

概要および結果: 過去の臨床試験や観察研究において、 MGD の様々な定義が用いられているが、そうした研究は慢性眼瞼疾患患者の選択について論じていることが一般的で、後部眼瞼炎または MGD という用語を使用しており、脂漏などの前部眼瞼疾患に関連してそれらの用語を使用していることもある。定義の簡潔な説明は「定義および分類に関する報告 書」に記載されている。

本稿において評価した研究の大部分は 18 歳以上の成人を対象としたものであり、被験者の平均年齢は 50 ~ 60 歳程度であった。 2 つの研究は小児( 4 ~ 12 歳)を評価したものであったが、 2 報では被験者の年齢は報告されていなかった( Table 2 )。精査した 26 報中 23 報では、登録基準または評価項目として臨床検査が記載されていた( Table 3 )。 26 報中 13 報( 50.0% )では、自覚症状が登録基準、診断基準、評価項目のいずれかとして設定されていた。記載されている自覚症状は主にドライアイに関連しているものである。ド ライアイが存在する場合と存在しない場合の MGD の自覚症状について特に調べた研究は 1 報( 3.8% )に過ぎなかった。

マイボーム腺閉塞および/またはマイボーム腺脱落、マイボーム腺分泌異常の評価により、 MGD が臨床的に定義されることが最も多かった。 26 報中 12 報( 46.2% )はマイボーム腺閉塞について報告し、 14 報( 53.8% )は分泌物について評価し、 8 報( 30.8% )はマイボーム腺の徹照法またはマイボグラフィーについて報告したものであった。 10 報( 38.5% )には、紅斑、眼瞼縁の不整、眼瞼縁の肥厚および/または毛細血管拡張などの眼瞼の異常が記載されていた。 4 報( 15.3% )では、眼瞼炎の痕跡が認められた患者は明確に除外されたが、眼瞼炎についてそれ以上の定義は行われなかった。

興味深いことに、ドライアイの臨床試験において一般的に実施されるフルオレセイン涙液層破壊時間( FTBUT: fluorescein tear break-up time )、結膜・角膜染色、シルマー試験などの検査を、 MGD 患者を定義する際に採用した研究は約 5% に過ぎなかった。しかしながら、大部分の研究では、ベースライン時および経過観察来院時にこれらの他覚所見の評価が行われており、そうした他覚所見は転帰 尺度として用いられることが多かった( Table 3 )。 FTBUT は評価対象の研究の中で最も報告が多い臨床検査であった( 26 報中 14 報、 53.8% )。

コンタクトレンズ不耐性関連の MGD に関する 1 報およびコンタクトレンズ装用が許可された 1 報を除き、ほぼすべての研究において、最近の眼手術歴を有する被験者や研究実施時にコンタクトレンズを装用している被験者が除外された。 3 報は MGD に酒さ性痤瘡などの皮膚疾患が合併している患者を特に対象としていた。

コメント: 要約すると、過去の MGD の臨床試験では、研究集団を定義する統一的な方法が存在しなかったが、臨床試験の被験者を定義するために用いられた臨床的特徴としては、自覚症状および眼 瞼の変化(特にプラギングおよび分泌異常)が最も多かった。注目すべきことに、自覚症状に基づいて被験者を募集するときを除いて、通常は患者の選択にあ たってドライアイが明確に選択基準とされることも除外基準とされることもなかった。ドライアイの他覚所見は、選択基準として一般的に採用されることはな かったが、転帰尺度として研究デザインに頻繁に組み入れられた。

選択基準

概要: 今回検討された研究の約半数( 26 報中 12 報、 46.1% )では、 MGD または慢性眼瞼炎の既往歴が確認されている成人患者が登録されたのに対し、他の研究では、特定の眼瞼所見が登録基準として報告された。 3 報では、患者が顔面の酒さ性痤瘡の臨床的痕跡を有していることが選択基準となっていた。 3 報では、以前に確立された分類方式が使用された 27 のに対し、残りの研究では、公表された特異的な基準の中で日常的に使用されていたものはなかった。いくつかは、 MGD または後部眼瞼炎の診断以外に特異的な選択基準の報告がなかった。これらの診断が下された経緯については明らかにされなかった。 26 報の選択基準に関する詳細の一覧を Table 4 および Table 5 に示す。



TABLE 2. Study Design and Descriptive Features




TABLE 3. Clinical Characteristics and Symptoms Assessed as Either Entry Criteria or Outcomes


結果: 大部分の研究では、眼瞼炎または MGD の慢性的な自覚症状および他覚所見を有する 18 歳から 70 歳までの成人患者が登録された。これらのうち 3 報(前向き症例集積検討 2 報および後ろ向き症例集積検討 1 報)では、小児が対象に含まれていた。 2 報では、参加者の年齢についての言及がなかった。 3 報では、温罨法および眼瞼清拭による治療効果のない患者が選択基準となっていた。

自覚症状、細隙灯顕微鏡検査による眼瞼縁、および眼表面の所見、ならびにドライアイの所見などの使用された数種類のパラメーターについて、以下に示す。

• 自覚症状:これまでのところ、 MGD に特異的な質問票は開発されておらず、妥当性の確認も行われていない。選択基準の要素として 1 つまたは複数の自覚症状または質問票を明確に用いた研究は 7 報( 26 報中 7 報、 26.9% )に過ぎなかったのに対し、 3 報では従来型の治療で効果なしが選択基準として報告された(効果なしがどのように評価されたかについては明らかではなく、治療の例がいくつか示されてい た)。一般的に、公表された研究は以下の主要な自覚症状の種類について報告している:不快感、視覚障害、眼の外観。評価対象となった研究の質問票または問 診において患者から報告された主な自覚症状としては、乾燥( 26 報中 6 報、 23.1% )、不快感または異物感( 26 報中 6 報、 23.1% )などがあった。これらの自覚症状は通常、患者の主観に基づいて、軽度・中等度・重度のいずれかに分類された。登録時および離脱時に質問票(主にドライア イの研究で用いられる質問票)を使用した研究はきわめて少なかったが、それらの研究では全体的には、特別な登録基準としてある一定水準以上の自覚症状を要 求することはされていなかった。

• 眼瞼縁の所見:眼瞼縁の他覚所見は最も報告が多い選択基準である。他覚所見としては、眼瞼縁後部の紅斑/充血、眼瞼縁の肥厚/不整、マイボーム腺開口部の プラギング、マイボーム腺分泌物の混濁、眼瞼縁の毛細血管拡張などがあった。他覚所見はほとんどの場合、軽度・中等度・重度のいずれかに分類された。マイ ボーム腺のプラギングは、選択基準として最も多く採用された眼瞼縁の所見であった( 26 報中 8 報、 30.8% )。

• 眼表面の所見:眼表面の所見としては、角膜浸潤、血管新生、球結膜充血、眼瞼結膜乳頭などがあったが、これらに限定されていなかった。眼酒さ患者を対象とした研究では、眼表面の所見が選択基準の 1 つとされていた。

• ドライアイの所見:注目すべきことに、数報ではドライアイの他覚所見が選択基準とされていた。これらは、被験者群の定義付け、あるいは涙液層の安定性の指 標として用いられていた。ドライアイの他覚所見としては、涙液層破壊時間( TFBUT: tear film breakup time )低値、フルオレセインを用いた角膜染色の有無および程度、ローズベンガルまたはリサミングリーンを用いて判定される結膜染色の有無および程度、涙液産生 量および涙液クリアランス(交換率)を測定するためのシルマー試験などがあった。

コメント: 細隙灯顕微鏡検査により確認される眼瞼縁の所見以外には、眼瞼炎および MGD については特異的で統一的な選択基準は存在しないようであった。なお、この選択基準はドライアイの研究で一般的に採用される選択基準とは異なっている。 MGD とドライアイとの間でオーバーラップする症状については、未だに十分に理解されていないことから、これらの基準が存在しないことは予想外のことではないか もしれない。一般的に、 MGD に関連した自覚症状は涙液層の安定性の変化および蒸発亢進型ドライアイに関連している可能性がある。これまでに実施された MGD の研究で採用されることが多かった選択基準は、不快感や異物感のような自覚症状や、マイボーム腺のプラギング、マイボーム腺の圧出性、マイボーム腺分泌物 の質のような他覚所見である。

除外基準

概要: 17 報( 65.4% )において除外基準が設定されていた( Table 4, 5B )。除外基準は各研究の目的および患者数により様々であった。したがって、研究の目的、研究者が使用している用語、研究対象の患者に基づいて、論文を以下 の 4 種類に分類することが可能である:

閉塞性マイボーム腺機能不全( 9 報)

2. 後部眼瞼炎( 6 報)

3. 続発性マイボーム腺炎を伴う脂漏( 1 報)

4. コンタクトレンズ装用者におけるマイボーム腺の治療
( 1 報)

さらに、報告された除外基準を以下の 3 つのカテゴリーに分類することが可能である: (1) 眼疾患関連、 (2) 医原性、 (3) 全身性疾患関連。

結果: 除外基準について検討した 26 報のうち、除外基準に関する記載があった 17 報において 39 の明確な除外基準が設定されていた。頻度が高い除外基準は、コンタクトレンズ使用( 17 報中 10 報、 58.8% )、眼手術歴( 17 報中 7 報、 41.2% )、眼表面を侵す眼疾患( 17 報中 6 報、 35.3% )であった。除外基準に関する詳細とその引用頻度を Table 5B に示す。

本稿で検討している研究の様々な目的や研究者が使用している用語に基づいて、除外基準を以下のように分類することができる:


1. 閉塞性 MGD の治療に関する論文:このグループの論文のうち、 3 報は非炎症性閉塞性 MGD 患者、 1 報は閉塞性 MGD と眼瞼炎を合併している患者、 3 報は MGD 患者、 2 報は「単純性」 MGD 患者をそれぞれ対象としたものであった。 7 報では、 MGD の治療を目的とした様々な種類の温罨法および眼瞼清拭の評価が行われた。これらの研究では以下の除外基準が採用されていた:前部眼瞼炎(重症度が中等度を 超えるもの)、感染性結膜炎、マイボーム腺炎、脂漏性 MGD およびマイボーム腺の過度の脂質分泌、温罨法の適用を妨げる眼付属器の病変、コンタクトレンズ使用、糖尿病、眼瞼炎治療中患者、眼瞼手術、 MGD 以外のドライアイの存在、スティーブンス・ジョンソン

症候群の既往歴、化学腐食・熱腐食・放射線障害、点眼薬、眼表面の問題を生じさせる可能性がある手術または処置。


2. 後部眼瞼炎(文献において MGD と同義的に使用されることが多い用語)に関する論文:このグループに分類された研究は、後部眼瞼炎を対象とした様々な種類の抗生物質や抗炎症薬を用いた薬 物療法の効果について評価した 6 報であった。すべての患者がある程度の炎症性疾患を有していた。このグループの研究では以下の除外基準が採用されていた:試験開始前 2 週間以内の点眼治療、他の抗生物質または抗炎症薬を用いた全身治療、プラグの使用、コンタクトレンズ装用、眼瞼炎以外の活動性眼疾患、眼瞼の形態異常、真 菌またはウイルス感染、眼表面の手術、シェーグレン症候群やスティーブンス・ジョンソン症候群などの他の炎症性眼表面疾患、熱腐食・化学腐食・放射線障 害。

3. 続発性マイボーム腺炎を伴う脂漏:このグループに分類された研究は、 ω-6 脂肪酸であるγリノレン酸の MGD 患者に及ぼす影響について調べた 1 報であった。この研究では以下の除外基準が採用された:感染性角結膜炎、 MGD とは無関連の炎症性疾患、シルマー試験 I 法 <10 mm/5 分、他の眼疾患の合併、眼手術歴、涙液排出系の



TABLE 4. Inclusion and Exclusion Criteria

治療、局所眼科用薬の併用、研究開始前 4 週間以内の眼科用局所ステロイドの投与、涙液分泌に影響を及ぼす全身薬を用いた治療、妊娠、糖尿病、眼表面の健康に影響を及ぼす他の全身障害・神経障害・皮膚障害。

4. コンタクトレンズ装用者におけるマイボーム腺の治療:このグループに分類された論文は、コンタクトレンズ装用者における MGD の治療について論じた 1 報であった。この論文では以下の除外基準が採用された:眼外傷の既往歴または眼手術歴、涙液に影響を及ぼす薬剤(例:抗ヒスタミン薬、抗不安薬、抗コリン 薬)の使用、全身性結合組織病、眼瞼炎、マイボーム腺炎、その他の前眼部疾患、レンズのフィッティングに関連したコンタクトレンズ不耐性、沈着物の存在、 治療薬に対する既知の過敏性または毒性。

39 の除外基準を以下の 3 つのカテゴリーに分類することができる: (1) 眼疾患関連、 (2) 医原性、 (3) 全身性疾患関連。全身性疾患関連の除外基準を Table 6 に示す。



TABLE 5. List and Frequency of Reported Criteria (All Studies Represented)


TABLE 6. Categories of 39 Exclusion Criteria in 17 Studies*


眼疾患の存在または既往歴に関する除外基準が最も多く報告されていた( 39 報中 20 報、 51.3% )。これらのうち、 3 つ( 7.7% )の除外基準は、論文の著者によって脂漏および/または急性・慢性のマイボーム腺炎と定義されたマイボーム腺機能不全の存在であった。これらの 3 つの除外基準は、閉塞性 MGD の治療に関する論文 4 報およびコンタクトレンズ装用者における MGD の治療に関する論文 1 報において報告されていた。
2. 医原性事象に関連した除外基準は 2 番目に多いカテゴリーであり、 39 の除外基準のうち 13 ( 33.3% )がこのカテゴリーに分類された。これらの除外基準としては、内科的治療、外科的治療、コンタクトレンズまたは涙点プラグの使用、喫煙などがあった。

3. 最後のグループの除外基準は、全身性疾患の存在、妊婦または妊娠可能年齢で避妊を行っていない女性、治療薬に対する既知の感受性(アレルギー)に関するものである。特定された 39 の除外基準のうち 6 つ( 15.4% )がこのグループの除外基準に該当した。

コメント: 選択基準および除外基準により、すべての種類の研究で症例患者が定義される。 MGD の研究では、 MGD の診断方法について説明すること、統一的な用語を使用すること、そして臨床的特徴を詳細に定義することがきわめて重要である。除外基準を 3 つのカテゴリー(眼疾患関連、医原性、全身性疾患関連)に分類することは、各々の研究に合わせて適格・不適格被験者を、分かりやすくリストとして作成する ことに役立つ。 MGD 関連の臨床試験の登録基準および除外基準の統一性をさらに高める必要がある。

主要・副次的評価項目判定基準(有効性評価項目)


概要: 筆者らが評価した論文の特徴としては、被験者数が比較的少なく、探索的研究として実施されたもの が多かった。したがって、特異的な主要評価項目も副次的評価項目も特定することなく、いくつかの臨床的変数を評価項目変数とみなしていた。よって、これら の評価項目は臨床像に基づいて分類

することが可能である。主要な臨床的特徴は以下のように分類することができる:

• 自覚症状(ドライアイまたは眼瞼炎)および視覚障害(視力の不安定化)

• 眼瞼の評価(眼瞼縁の充血、マイボーム腺の閉塞、睫毛の残屑、瞼板および眼瞼縁の毛細血管拡張、浮腫)

• 涙液層関連のパラメーター( TFBUT 、涙液油層干渉像、涙液産生量、浸透圧)

• 眼表面の病変(角膜・結膜染色)

• 眼表面の炎症(充血)

• マイバム( meibum )の異常(圧出性、量、質)

• 細菌の関与

MGD は多様であることを考えると、このように特徴を定義することによって、転帰尺度を状況によりよく適合させることが可能になる。それぞれの特徴に基づいて各 論文を分類するとともに、主要評価項目判定項目を Table 7 に示した。エビデンスレベルにかかわらず、関連のあるすべての研究を掲載した。

これらの研究では、すべての種類の MGD が多少とも慢性的な性質を有していると想定することができるが、すべての症例について慢性であると明確には記載されていなかった(急性と記載されていた症 例はなかった)。今後の研究では、「定義および分類に関する報告書」が提唱している用語に基づいた、より具体的な用語が使用されるかもしれない。

結果: 数種類の評価項目判定項目が用いられていたが、これは MGD の多様性を反映しているものと考えられ、変化を分類する方法は様々であった。全体的に、主要有効性評価項目と副次的有効性評価項目が区別されていないよう に思われた。尺度が定義されていた研究では、分類尺度または順序尺度が用いられることが多かった(例:あり/なし、グレード 0 ~ 4 、なし・軽度・中等度・重度)。

評価項目判定基準の変化は以下のように要約することができる:

• 自覚症状(眼の自覚症状の総スコアの改善、特異的なドライアイの自覚症状、視力の不安定化の軽減、快適にコンタクトレンズを装用できる時間の延長)

• 眼瞼の評価(グレードの評価での重症度の軽減)

• 涙液層関連のパラメーター(涙液産生量の増加、 TBUT の延長、涙液油層干渉像の改善)

• 眼表面の病変(染色のグレード評価での重症度の軽減)

• 眼表面の炎症(充血のグレート評価での重症度の軽減)

• マイバムの異常(圧出性、量、質の改善)

• 細菌の関与(細菌量の減少)

• 炎症の再発の改善/減少(慢性の眼瞼縁・角膜疾患および慢性肉芽腫性疾患)

26 報において最も頻繁に報告された評価項目としては、眼の自覚症状( 14 報、 53.8% )、 TBUT ( 14 報、 53.8% )、マイボーム腺の分泌および圧出( 9 報、 34.6% )、シルマー試験 I 法( 10 報、 38.5% )、角膜染色( 8 報、 30.8% )、マイボーム腺閉塞( 6 報、 23.1% )、眼瞼( 5 報、 19.2% )、涙液油層干渉像( 5 報、 19.2% )などがあった。

ドライアイの自覚症状および他覚所見に関連しているが、必ずしも MGD に特異的ではない評価項目が大半の公表論文において採用されていた。眼瞼の評価に関連したパラメーターは近年ますます頻繁に用いられるようになっており、 最近の論文ではマイボーム腺の直接的な評価が評価項目判定基準として採用される機会が増加している。

評価対象をエビデンスレベル I または II の論文に限定した場合、評価項目判定基準の選択に関する大きな差は認められなかった。

コメント: ドライアイの自覚症状および他覚所見の重要性は、文献に記載されている評価項目において明らかで あるように思われる。 MGD の特異的な自覚症状に関する調査および眼瞼縁の所見の統一的な分類が必要である。それぞれの(各々の)研究で選択された数々の評価項目は、 MGD の様々な所見とは関連していないようであり、 MGD のタイプとは関係なく同様に用いられていたのはやや意外なことであった。



TABLE 7. Clinical and Symptom Outcomes

治療

概要: 26 報の今回検討された研究のうち 23 報では、以下のカテゴリーに従って評価を行う十分な情報が記載されていた( Table 2 ):

• 治療の種類(薬理学的療法、ホメオパシー療法、外科療法、外部療法)

• 用法

• 併用治療

• 対照治療

• 期間

• ウォッシュアウト

• 経過観察

結果: 薬理学的治療は 26 報中 11 報( 42.3% )で実施されていた。内訳は、マクロライド系抗生物質の全身または局所点眼投与( 3 報、 11.5% )、テトラサイクリン系薬の全身投与( 4 報、 15.4% 、うち 1 報は局所点眼投与のプレドニゾロンおよびトブラマイシンと併用)、抗炎症薬/免疫抑制薬の局所点眼投与( 4 報、 15.4% )であった。ホメオパシー的治療は 3 報( 11.5% )で実施されており、内訳は、局所投与薬(ハチミツまたは油滴) 2 報、全身投与薬(リノール酸) 1 報であった。外部治療は 9 報( 34.6% )で実施されていた。内訳は、温熱療法(温罨法または加温装置) 7 報( 26.9% )、眼瞼清拭 1 報( 3.8% )、その両者の併用 1 報( 3.8% )であった。

全身薬はほぼ例外なく 1 日 2 回投与であった。テトラサイクリン系薬の用法は、ドキシサイクリン 20 ~ 200 mg を 1 日 2 回、ミノサイクリン 50 mg を 1 日 1 回または 1 日 2 回、エリスロマイシン 30 ~ 350 mg を 1 日 2 回のいずれかであった。

10 報では併用治療が継続または開始されており、人工涙液は 9 報で使用され、眼瞼の治療は 5 報で実施されていた(うち 4 報では眼瞼清拭のみを実施)。 1 報では、研究開始 1 ヵ月前に実施されていた治療を、種類は問わず研究期間を通して継続することが許可された。大部分の研究は、併用治療が継続されたか否かについて明らかにし ていなかった。

9 報では対照群に対する何らかの形の治療が実施されていた。対照群に対する治療として最も多かったのは眼瞼清拭であり( 3 報)、温熱治療( 1 報)、従来型のアイマスク( 1 報)、蒸しタオル( 1 報)が実施ないし使用されていた。 3 報では対照群が人工涙液に割り付けられ、うち 1 報では眼瞼清拭も実施された。 1 報はドキシサイクリンの全身投与のプラセボ対照研究であった。

4 報の眼瞼を温める研究では、単回使用が実施された。 3 種類の装置について、 10 分間使用を 1 回実施した後の効果を調べる 2 週間の研究が実施されていた。この研究を含む 7 報では、治療期間は 2 週間であった。次に多かった治療期間は 3 ヵ月であった( 6 報)。治療期間が 2 週間超 3 ヵ月未満の研究は 4 報、治療期間が 3 ヵ月超の研究は 3 報であった。

大部分の研究( n = 17 )ではウォッシュアウト期間(導入期間)が設定されなかった。 2 報ではウォッシュアウトのために人工涙液が処方された(うち 1 報では 2 週間と設定されていた)。 1 報では研究開始前の 2 週間にわたりドキシサイクリンの全身投与が中止された。 2 報については研究前の局所治療に関する具体的な記載がなく、研究期間は 1 報が 2 週間、残りの 1 報が 3 ヵ月であった。 3 ヵ月間のウォッシュアウト研究では、人工涙液の使用は許可されたが、涙点閉鎖やコンタクトレンズの使用は許可されなかった。

治療を標準化するために、一部の研究では、すべての被験者に対し、眼瞼のこすり洗いを実施し、人工涙液を使用することを登録時に求め た。眼瞼疾患の治療の標準化は、新しい治療を評価する際の交絡変数を減らすことに役立つかもしれない。被験者を無作為化する前に標準治療を 2 ~ 4 週間実施することは、プラセボに反応する症例を除外し、そしてより優れたベースラインの情報を得ることに役立つかもしれない。

5 報の研究では、(再発の可能性を否定するための) 2 ~ 3 ヵ月間の経過観察期間が設定されていた。

コメント: 大部分の研究ではウォッシュアウト期間が設定されず、再発の確認が行われていなかっ た。半数の研究では他の治療の併用が許可され、 3 分の 1 の研究では対照群に対する治療を許可していた。研究期間については研究間で大きなばらつきがあったが、薬物療法に関する研究は、外部療法に関する研究と比 べて研究期間が長くなる傾向があり、経過観察期間が設定される傾向が高かった。

統計学的考察

概要および結果: 適切に実施された無作為化比較対照試験のうち、統計学的検討が可能なものは少数で あった。これらの研究の中で、効果の大きさ、検出力、必要な被験者数の算出に関する詳細を示したものはなかった。欠損したデータ(例:追跡不能、非遵守に よる除外)の取り扱いに関する情報は限られていた。

その他の臨床試験

検索語「 meibomian 」を用いて、 ClinicalTrials.gov からその他の進行中の臨床試験を検索した。そのうち関連のある研究の一覧を Table 8 に示す。

コメント: これらの進行中の臨床試験のいくつかは、主要評価項目および副次的評価項目の判定基準が明 確に定義された無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。これらの結果は、高レベルのエビデンスに分類される MGD の臨床試験一覧に追加されるかもしれない。しかし、同研究の中で、集計時に結果が公表されていた研究はなかった。

MGD の研究デザインに必要な改良

今後の研究のデザインに関する決定は、査読を受けた雑誌に掲載された信頼性の高い研究の利用可能なデータに基づいて行う必要がある。そうした研究は、 MGD 患者数が十分で前向き無作為化二重盲検(可能であれば)比較対照試験として実施すべきである。

これまでのところ、この厳格な基準を満たした研究はきわめて少ないが、前述のように数件の研究が進行中である。これらの進行中の研究の結果が公表される時期は(公表されることがあるとしても)不明である。

目的

臨床試験のデザインに関する包括的な推奨事項が存在するものの、デザインに関する MGD に特異的な推奨事項として、目的が明確に定義された試験という項目を設けるべきである。これらの目的は明確に記載される必要があり、それにより、回答が示 されるべき具体的な疑問も明らかになる。 MGD において検討すべき重要かつ基本的な疑問としては以下のようなものがある:

• MGD とドライアイとの間には関連があるか。 MGD とドライアイを区別することは可能か。どのように区別することが可能か。筆者らが過去の MGD の臨床試験について検討した結果、明確なコンセンサスは存在しないことが示唆された。ドライアイ患者を組み入れた研究や、ドライアイ患者を除外した研究も あり、ドライアイの状態の評価を全く行っていない研究もあった。現時点では信頼性が高いデータが不足していることを考えると、この疑問に対する回答は暫定 的なものに過ぎず、確定的な推奨事項を定めることはできない。 MGD とマイボーム腺から分泌される脂質の質および量の変化との間には臨床的関連があるように思われるが、この脂質は眼表面の涙液層に関与している。多くの眼科 医は、 MGD が蒸発亢進型ドライアイの最も一般的な原因であると考えるとともに、 MGD の発症と涙液減少型ドライアイの発症との間にはオーバーラップがかなりみられ、いずれにおいてもドライアイを示唆する典型的な自覚症状および他覚所見が認 められると考えている。眼表面に炎症状態を生じさせることで、 MGD が涙液減少において果たしている可能性がある役割を評価する研究も受け入れられるかもしれない。

• MGD とドライアイとの間にはかなりの不確実性が存在することを考えると、 MGD とドライアイとの関連について評価する研究は、 MGD の自然経過を評価する観察研究と同様に有用であろうと思われる。 MGD 眼瞼疾患とドライアイを区別することができる標準化された自覚症状の質問票が開発されれば、特別な価値を持つことになるであろう。

MGD の評価および検査のために、代わりの方法または間接的な方法も開発することが望ましい。正確で反復可能な自覚症状の検査は、評価項目として明らかに価値を 持つものであり、患者の健康に直接的に関連している。特に、その裏返しとして長期的に健康を改善するということを証明できる場合には、疾患の定量的検査も 有用である可能性がある。そのような例としては、浸透圧、干渉像、高解像度 OCT 、視覚機能および瞬目間の視力低下を測定する検査、ならびにマイバムの差を明らかとする検査法がある。研究者はそうした検査の実施法を習得するために、標 準化されたビデオおよび/またはウェブベースの研修を受ける必要がある。これらの検

• の結果と自覚症状や他覚所見などの臨床所見との間に相関関係がある臨床研究を最初に実施すべきである。

デザイン

可能ならば、臨床試験は前向き無作為化比較対照二重盲検試験として実施するのが最も望ましい。優れた臨床試験デザインとしての重要な考慮事 項を MGD に関するすべての研究に反映させる必要がある(例:日米 EU 医薬品規制調和国際会議( ICH )ガイドライン E6 「医薬品の臨床試験の実施の基準」 28 、 ICH E8 「臨床試験の一般指針」 29 、 ICH E9 「臨床試験のための統計的原則」 30 、 ICH E10 「臨床試験における対照群の選択とそれに関連する諸問題」 31 、 www.ich.org を参照のこと)。疫学研究や患者登録研究などの、他の種類の研究デザインについては、上記とは異なる考慮事項を反映させる必要がある。

被験者の選択および選択/除外基準

過去の MGD の臨床試験においては、研究集団を定義する統一的な方法が存在しなかったが、選択された臨床的特徴としては、自覚症状および眼瞼の変化(特にプラギングお よび分泌異常)が最も多かった。注目すべきことに、自覚症状に基づいて被験者を組み入れる場合を除いて、通常は患者の選択にあたってドライアイが明確に選 択基準とされることも除外基準とされることもなかった。ドライアイの他覚所見は、選択基準として採用されることはまれであったが、改善の判定のために評価 されることは多かった。今後の研究では、ドライアイの検査を組み入れることを慎重に検討する必要がある。

明らかなことであるが、臨床試験集団は厳密に定義する必要がある。しっかりとした MGD 分類方式が重要である。しかしながら、介入臨床試験では、眼表面の状態と相関して治療介入に反応するような、評価方法として適切な客観的および/または主 観的な臨床上の自覚症状および他覚所見に基づいた分類方式を採用する必要がある。非介入的研究、探索的治療研究、メカニズム研究では、研究の目的に応じ て、大規模集団においては実行不可能な付加的な測定方法(バイオマーカーまたは臨床所見)が採用されている場合がある。そうした研究では、多施設共同臨床 試験やより一般的な患者ケアに適さない試験方法が採用されている場合がある。

統一的で標準化された分類方式は、治療介入の影響を測定する上で、自然経過を明らかにする上で、また選択基準および除外基準を定義する上で 重要である。患者を分類する際に以下の 2 つの方法を選択することが可能である: 1) 個々の臨床的特徴の分類、 2) 全般的重症度に基づく分類。「診断に関する報告書」では、個々の分類について論じられているが、「管理および治療に関する報告書」では、涙液および眼表面 の特徴のみに基づくのではなく、統一的な分類方法に基づいて疾患の判定を行うために、臨床的病期分類法が採用されている。 MGD のすべての研究において使用できる、そうした統一的な分類・評価法を開発することができれば、研究間の比較が容易になるであろう。

評価者と研究実施者との統一性を高めるために、診断および分類を目的とした研究者のための研修プログラム(ウェブベースで提供される可能性 がある)を開発することが可能である。そうした研修プログラムは、研究実施者間の一致を保証することに役立ち、データの質を高めるかもしれない。他の視力 関連の研究(すなわち、網膜、緑内障、円錐角膜)において利用されるような解読センターも研修プログラムに含まれる可能性がある。

民族性は MGD における 1 つの重要な要因であるかもしれない。民族間の相違点は、試験薬の安全性、有効性、用法・用量に影響を及ぼす可能性があることから、研究集団の選択にも影響 を及ぼす可能性がある。疫学データはアジア系民族の MGD の有病率がかなり高いことを示していることから、外因性要因(例:文化[食事および医療慣行を含む])と内因性要因(例:遺伝子多型、 ICH E5 「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」) 32 はいずれも、臨床試験の結果に影響を及ぼす可能性があることを考慮しなければならない。結果が一般化できるかどうかは、研究集団の均一性(またはその欠 如)にも影響されるであろう。



TABLE 8. Relevant Registered Clinical Trials


適切な選択基準および除外基準は試験の質の完成度を保証するために不可欠である。以前に公表され た臨床研究では、ドライアイの選択基準とは異なり、臨床的に関連がある、 MGD に特異的な選択基準が適切に特定されていなかった。通例、コンタクトレンズの使用は試験から被験者を除外する大きな理由となっており、一般的な眼表面疾患 や手術歴に関連する除外基準がそれに続いた。医薬品開発の初期段階では、評価対象の特異的な臨床的効果を確認できる可能性を最大化するために、選択基準お よび除外基準がきわめて厳しく設定されている場合がある。これらの厳しい基準を採用した場合、最終的に治療が適応となる被験者は、患者集団全体のごく一部 しか選択されない可能性がある。しかしながら、後期段階の確認試験では、被験者は目標母集団を厳密に反映している必要がある。日常の患者管理の一般化を研 究者が提案できるようにするために、選択基準および除外基準はできる限り緩和する必要がある。

対照群の選択

対照群には 1 つの重要な目的がある。すなわち、試験治療により生じた患者の結果(例:自覚症状・他覚所見・その他の病態の変化)と、疾患の自然経過、観察者・患者の期 待感、他の治療などの他の要因により生じた結果を区別できるようにすることである。したがって、臨床試験のデザインに際して、どのような対照群を選択する かの決定は、いかなる場合においてもきわめて重要である。

ほとんどの場合、対照群を同時に設定することが第一選択となる。試験群および対照群は、試験治療を除き、結果に影響を及ぼしうるすべて のベースライン変数および治療変数に関して、同じでなければならない。 MGD の場合、そうしたベースラインの要因に関連している可能性があるものとして、年齢、民族性、全身性疾患、併用薬、環境要因を、少数の例として挙げることが できる。無作為化により、実験群・対照群間のバイアスが生じる可能性は低くなる。バイアスのリスクを最小限に抑えるためのさらなる手段として、被験者と研 究実施者のいずれにも試験薬とプラセボの割り付けが分からないようにするために、二重盲検試験とすることが望ましい。二重盲検試験として実施できない場合 ( MGD ではこうした場合がある)、例えば眼瞼のこすり洗いが治療法の一部となっている場合(研究実施者は依然として盲検化されている)には、独立した評価者に対 して盲検化できる評価項目判定基準を設定するよう努めるとともに、被験者が治療について話し合うことを最小限に抑えるよう努める必要がある。

現時点では、 MGD の治療において明確に定義され、受け入れられている標準治療は存在しない。したがって、対照に関する理論的枠組などの研究デザインに関する問題について、 規制当局との綿密な協議が必要となることがある。確立された標準治療が存在しないことから、対照治療を明確に定めることは重要である(例:プラセボ対照 (溶媒のみ)および/または眼瞼清拭)。

MGD の優越性試験では対照の選択が容易な場合があるものの、 MGD の非劣性試験では比較すべき治療が確立されていない。さらに、臨床的に誤差範囲内と言える非劣性限界値を明らかにする必要がある。その他の種類の研究とし て、クロスオーバーデザインがある。そのような場合には、複数の治療が干渉し合っているか否かについて、また適切なウォッシュアウト期間を定めるものは何 かについて言及することがきわめて重要であろう。 MGD に関するすべての臨床試験において、併用治療(本稿における最も一般的な併用治療としては、眼瞼清拭や人工涙液点眼などがある)、現行の治療のウォッシュ アウト、研究の導入期間中の治療が及ぼす影響などの潜在的な交絡因子について検討することがきわめて重要である。これらの状況を管理するための標準作業手 順書( SOP )を研究プロトコールの中で明確に定める必要がある。

試験の実施期間

MGD については、今回検討したなかでは、研究の実施期間に大きなばらつきが存在している。薬理学的研究は他の非薬理学的要因を評価した研究と比べて研究期間が 長くなる傾向があり、治療中止後に経過観察期間が設定される傾向が高かった。あらゆる臨床試験と同様に、望ましい結果を得るために十分な長さの治療期間を 設定しなければならない。治療中止後の再発について検討する経過観察期間を設定することが望ましい。薬理学的治療研究では、実際の場面でその治療法により 生じうるあらゆる安全性の問題に適切に対処するために、研究期間と申請される臨床治療期間を一致させる必要がある。

被験者数

研究の検出力(例: 80% [推奨最小値として一般的に受け入れられている])とは、研究の主要評価項目判定基準に基づいて算出されるものであり、(何らかの効果が存在する場合に) 研究がその効果を検出する力のことである 33 。例えば、特定の治療を実施した結果、角膜染色、蒸発率、涙液浸透圧のいずれかが臨床的に意味のある減少を示すことが以前の研究で実証されているのであれ ば、そうしたデータは実施予定の研究におけるほぼ同じ大きさの効果を望ましい確率で達成するのに必要な(最少の)患者数の算出に利用できるであろう。統計 的検出力の算出に必要な要因としては、効果の大きさ、ばらつき、被験者数、有意水準などがある 34 。 MGD の研究において、被験者数や検出力を推量することの一助となる公表された情報が限られていることを考えると、予備的で、かつ/または不確実なデータ・情報 に基づいて算出が行われる可能性が高い。探索的研究または初期段階の研究のデータは今後も引き続き必要である。現時点では、ある特徴について健常者と罹病 患者を比較したデータは、治療の潜在的な効果に関するデータを得ること、ひいては被験者数を算出することに役立てる目的で用いるべきである。被験者数を調 整するための(盲検データの)中間での確認が有用である場合もあるが、細心の注意を払って実施しなければならず、パイロット研究に最も適している。その場 合、適切に修正した仮定に基づいて被験者数の再計算を行うこととなる( ICH E9 ) 30 。被験者数を推量する際には、中止例または追跡不能例を補うために追加の被験者を組み入れる必要がある。これらの追加された被験者は、高い中止率が予想さ れるので、長期試験、複雑な治療または不快を伴う治療の試験において特に重要である。被験者数が十分であることは、治療介入の安全性について適切に検討す るためにも必要である( ICH E1 ) 35 。

評価項目判定基準

主要評価項目判定基準すなわち主要有効性評価項目は、副次的評価項目判定基準すなわち副次的有効性評価項目とともに、 MGD の研究において明確に定義する必要がある。選択された評価項目判定基準は、研究の目的に直接的に関連していて、臨床的に最も関連があり、説得力のあるエビ デンスが得られるものでなければならない。一般的に、主要有効性評価項目は有益性に関する明確な定量的尺度となるものである。 MGD の場合、治療介入の有効性に関連した評価項目判定基準の選択は、疾患の分類および重症度におそらく依存するであろう。「定義および分類に関する分科委員 会」が推奨している分類は、病態生理学的変化に基づいたものであり、主なカテゴリーは「高分泌状態」と「低分泌状態」である。したがって、閉塞性病態など の低分泌状態の場合には、眼瞼縁の炎症および/またはマイボーム腺閉塞の評価を適切な有効性評価項目に含めることも可能である。同様に、疾患の重症度また は疾患進行度は重要な変数である可能性がある。「管理および治療に関する報告書」に記載されているような MGD 重症度分類には、同一の重症度の中に複数の臨床的特徴が含まれていることがあり、臨床研究において使用できる可能性はあるが、特殊な臨床検査においては個 々の分類方法の感度は十分ではないかもしれない。したがって、今後の研究では仮説に基づいて評価項目判定基準を慎重に選択しなければならない。

過去の臨床試験の多くでは、評価項目判定基準は眼瞼の他覚所見ではなく眼表面の他覚所見を反映していた(涙液の状態および眼表面の染 色)。そうした尺度は、特に蒸発亢進型ドライアイにおける MGD とドライアイの合併を反映したものである可能性があり、合併の際は脂質異常が涙液層の安定性の変化をもたらすと考えられている 36 。そのような状態においては、ドライアイの典型的な他覚所見( TBUT 、角膜・結膜生体染色、シルマー試験の結果)が MGD の適切な評価項目判定基準となるであろう。さらに、蒸発亢進型ドライアイの状態では、「診断に関する報告書」において論じられているように、涙液交換率、 蒸発率、浸透圧について、蒸発亢進型ドライアイ患者と健常者との間に有意差が認められることがある。そうした臨床的有効性評価項目による検討は有望である が、さらに評価を重ねる必要がある。したがって、 MGD の研究では、眼瞼縁疾患の程度を明確化する説明の他に、涙液層のパラメーターに関する十分な情報を(一般的には涙液減少状態に関する説明の一部として)記 載する必要がある。眼瞼所見に関連した有効性評価項目は、主要評価項目判定基準または重要な副次的評価項目判定基準として選択され、統一的な分類方法に基 づいて分類されるかもしれない。注目すべきことに、既存の分類尺度が直線的に疾患の重症度を反映したものであるか否かは不明であるため、より重症度が高い 疾患の場合には有効性の実証が困難となる可能性がある。

ドライアイの場合と同様に、特に午前中にみられるような異物感または刺激感、そう痒感、灼熱感、眼瞼腫脹、乾燥感、過度の流涙、睫毛の 痂皮についての評価も含めて、 MGD に特異的な自覚症状に対する治療効果の評価を行うこともきわめて重要であろう。これらの自覚症状はドライアイにおいて報告される自覚症状と非常に類似して いる。 MGD 患者の自覚症状の定義および評価を改善する上で、ドライアイと MGD を鑑別するためだけでなく、可能ならば、治療に対する反応について検討するためにも、 MGD に特異的で妥当性が確認されている質問票を開発することが非常に望ましい。電子自覚症状日誌の使用により、リアルタイムのデータ収集、データの質、正確性 が改善される可能性がある。

MGD の病因、所見、重症度によっては、涙液や眼表面の特徴などの他の評価項目判定基準がきわめて妥当な有効性評価項目となりうる。(これらに限定されているわ けではないが)油層干渉パターンの変化、マイバムの圧出性・質・組成の変化、涙液蒸発率の変化などの、一般的に用いられる有効性評価項目の臨床的価値につ いてさらに評価を重ねる必要がある。

代用評価項目とバイオマーカー

代用評価項目またはバイオマーカーの使用は、科学を前進させるのみならず、医薬品開発において有益な影響をもたらす可能性がある。例え ば、より早く、簡単かつ侵襲性が低い方法でデータを入手できる、倫理的に望ましい、低費用であるといった点が考えられる。しかしながら、 MGD の場合、バイオマーカーの特異度や感度に関する情報は存在せず、もちろんバイオマーカーが治療によりどのように変化しうるかについての知見も存在しない。 規制当局の観点からは、臨床試験における代用評価項目またはバイオマーカーの使用は、これらの有効性評価項目にどの程度の関与があるのか、また、そうした 有効性評価項目に基づくデータと関連するものにどのようなものがあるのかに依存することになる。医薬品開発の初期に実施される探索的研究では、代用評価項 目またはバイオマーカーが副次的有効性評価項目として、場合によっては主要有効性評価項目として用いられることさえある。代用評価項目には、例えば、以下 のような用途がある:概念の根拠を得る、用量選択の一助とする、作用機序の裏付けを得る、サブグループの特徴を明らかにする。また、確認試験においても、 代用評価項目またはバイオマーカーが組み入れられる場合がある。そうした有効性評価項目が開発初期に用いられたり、探索的有効性評価項目として確認試験に 用いられたりした場合、規制当局は寛容な態度を示すことが多く、好意的な態度を示すことさえある。この場合もやはり、これらの有効性評価項目に関連した結 果にどの程度の関与が認められるかに依存することになる。一方、代用評価項目を主要有効性評価項目として用いる場合には、臨床転帰または患者にとって(短 期的または長期的に)重要な転帰との関係およびそうした転帰の関連性を証明しなければならない。代表的な患者において、代用評価項目と真の有効性評価項目 の両方の臨床試験データを用いて、代用評価項目の妥当性を確認しなければならない。そうした妥当性の確認においては、以下の指針を考慮する必要がある。代 用評価項目またはバイオマーカーは以下の条件を満たす必要がある:

• メカニズム的に妥当と考えられる。

• 臨床結果を(早期に、あるいは「真の結果」と比例するように)予測することができる

• 有効性、重症度、安全性を測定することができる

• 介入により変化し、治療が臨床結果に及ぼす影響を予測することができる

• 研究実施者間や臨床試験施設間で標準化されており、再現可能である

バイアスを最小限に抑える方法

MGD の研究では、以下の事項について特に留意する必要がある:盲検化、試験治療に対するコンプライアンス、ウォッシュイン/ウォッシュアウト、併用治療、デー タの欠損(欠損したデータ)の取り扱いの方法。データの欠損(欠損したデータ)の取り扱いはきわめて重要となることがあり、例えば、治療を行っていない試 験期間中に進行と改善のどちらが予想されるか、実薬治療の副作用によって試験の中止を行ったかどうか、といったことに応じて、異なる取り扱いをする必要が ある。

治療

治療期間は明確に定めなければならない。過去に実施された大部分の MGD の臨床試験では、ウォッシュアウト期間が設定されておらず、試験終了後の再発のモニタリングは行われなかった。その他、多くの研究では、他の治療の併用ま たは対照群の治療が許可された。ウォッシュアウトの省略や併用薬の許可は、有効性・安全性の正確な評価を行う際に影響を及ぼす可能性がある。特定の併用治 療の交絡作用が疑われない場合でも、許可される薬剤(および許可されない薬剤)を事前に定めてモニタリングするとともに、研究結果に影響を与えうるあらゆ る可能性を特定する必要がある。

研究プロトコールの遵守

眼瞼のこすり洗いや眼瞼清拭などの一部の管理法については、被験者が遵守し続けることが難しい場合がある。ある試験でそうした管理法が 採用された場合には、患者日誌を用いて遵守のモニタリングを行うことがきわめて重要である。さらに、脱落率の上昇が予想されることから、被験者数を増加す ることが賢明かもしれない。

分析感度

MGD に関する臨床試験において、治療効果の大きさに関する有用な情報が限られていることを考えると、目標とする結果を高い確率で証明するための確証的治療研究 を実施する前に、追加情報が得られれば有用であろう。そうした情報としては、臨床的に関連のある効果の大きさ(すなわち、非劣性の限界値)、予想されるプ ラセボ反応の大きさなどがある。

プロトコールの修正

前述のように、被験者数の調整の一助となる中間解析は有用な場合がある。 MGD 治療における臨床開発の初期段階では、医薬品開発の工程を加速させるために、あるいは科学的基準や規制当局の基準を下げることなくより効率的に研究を進め るために、中間解析の結果に基づくデザインの修正を伴う適応型の研究デザインが採用されることもある。分析感度は、研究データが損なわれないようにする上 で、非劣性研究中においてきわめて重要なものである。そのような研究では、これを保証する 1 つの方法は、第 3 の被験者群としてプラセボ群を設定することであろう。

統計解析計画

あらゆる臨床試験の場合と同様に、基本として、データの最終的な統計解析についてプロトコールの統計解析に関するところで、あらかじめ 定義し、言及しておかなければならない(例:追跡不能、非遵守、有害事象による中止の際に生じる欠損したデータの取り扱いの方法)。 ICH E9 「臨床試験のための統計的原則」 30 を考慮する必要がある。

今後の研究では(特に多施設共同研究が計画されている場合には)、研究集団をより明確に定義することで十分な成果を上げることが期待さ れる。ドライアイの評価を加えることは、ドライアイと MGD 疾患との関連を明らかにすることや、ドライアイに関連した自覚症状および他覚所見に治療が及ぼす効果を明らかにすることに役立つ。

要約

筆者らは以下の項目を今後の MGD の臨床試験における主要な優先事項とすることを提案する:

• MGD の自然経過

• MGD とドライアイとの関連

• MGD の自覚症状に関する特異性や妥当性のある質問票

• MGD において、眼瞼やその他の他覚所見の標準化された分類

• 脂質およびタンパク質由来の炎症性メディエーターの可能性および臨床的価値

• MGD 関連の代用臨床評価項目の妥当性の確認

References

1. Albietz JM, Lenton LM. Effect of antibacterial honey on the ocular flora in tear deficiency and meibomian gland disease. Cornea. 2006;25:1012–1019.

2. Blackie CA, Solomon JD, Greiner JV, Holmes M, Korb DR. Inner eyelid surface temperature as a function of warm compress methodology. Optom Vis Sci. 2008;85:675–683.

3. Cetinkaya A, Akova YA. Pediatric ocular acne rosacea: long-term treatment with systemic antibiotics. Am J Ophthalmol. 2006;142:
816–821.

4. Dougherty JM, McCulley JP, Silvany RE, Meyer DR. The role of tetracycline in chronic blepharitis: inhibition of lipase production in staphylococci. Invest Ophthalmol Vis Sci. 1991;32:2970–2975.

5. Epstein GA , Putterman AM. Combined excision and drainage with intralesional corticosteroid injection in the treatment of chronic chalazia. Arch Ophthalmol. 1988;106:514–516.

6. Goto E, Endo K, Suzuki A, Fujikura Y, Tsubota K. Improvement of tear stability following warm compression in patients with meibomian gland dysfunction. Adv Exp Med Biol. 2002;506:1149–1152.

7. Goto E, Monden Y, Takano Y, et al. Treatment of non-inflamed obstructive meibomian gland dysfunction by an infrared warm compression device. Br J Ophthalmol. 2002;86:1403–1407.

8. Goto E, Shimazaki J, Monden Y, et al. Low-concentration homogenized castor oil eye drops for noninflamed obstructive meibomian gland dysfunction. Ophthalmology. 2002;109:2030–2035.

9. Ishida R, Matsumoto Y, Onguchi T, et al. Tear film with “Orgahexa EyeMasks” in patients with meibomian gland dysfunction. Optom Vis Sci. 2008;85:684–691.

10. Luchs J. Efficacy of topical azithromycin ophthalmic solution 1% in the treatment of posterior blepharitis. Adv Ther. 2008;25:858–870.

11. Matsumoto Y, Dogru M, Goto E, et al. Efficacy of a new warm moist air device on tear functions of patients with simple meibomian gland dysfunction. Cornea. 2006;25:644–650.

12. Matsumoto Y, Shigeno Y, Sato EA, et al. The evaluation of the treatment response in obstructive meibomian gland disease by in vivo laser confocal microscopy. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2009;247:821–829.

13. Meisler DM, Raizman MB , Traboulsi EI. Oral erythromycin treatment for childhood blepharokeratitis. J AAPOS. 2000;4:379 –380.

14. Mori A, Shimazaki J, Shimmura S, Fujishima H, Oguchi Y, Tsubota K. Disposable eyelid-warming device for the treatment of meibomian gland dysfunction. Jpn J Ophthalmol. 2003;47:578–586.

15. Olson MC, Korb DR, Greiner JV. Increase in tear film lipid layer thickness following treatment with warm compresses in patients with meibomian gland dysfunction. Eye Contact Lens. 2003;29: 96–99.

16. Paugh JR, Knapp LL, Martinson JR, Hom MM. Meibomian therapy in problematic contact lens wear. Optom Vis Sci. 1990;67:803–806.

17. Perry HD, Doshi-Carnevale S, Donnenfeld ED, Solomon R, Biser SA, Bloom AH. Efficacy of commercially available topical cyclosporine A 0.05% in the treatment of meibomian gland dysfunction. Cornea. 2006;25:171–175.

18. Pinna A, Piccinini P, Carta F. Effect of oral linoleic and gammalinolenic acid on meibomian gland dysfunction. Cornea. 2007;26: 260–264.

19. Romero JM, Biser SA, Perry HD, et al. Conservative treatment of meibomian gland dysfunction. Eye Contact Lens. 2004;30:14 –19.

20. Rubin M, Rao SN. Efficacy of topical cyclosporin 0.05% in the treatment of posterior blepharitis. J Ocul Pharmacol Ther. 2006;22:47–53.

21. Schechter BA, Katz RS, Friedman LS. Efficacy of topical cyclosporine for the treatment of ocular rosacea. Adv Ther. 2009;26:651–659.

22. Shine WE, McCulley JP, Pandya AG. Minocycline effect on meibomian gland lipids in meibomianitis patients. Exp Eye Res. 2003;76: 417–420.

23. Song CH, Choi JS, Kim DK, Kim JC. Enhanced secretory group II PLA2 activity in the tears of chronic blepharitis patients. Invest Ophthalmol Vis Sci. 1999;40:2744–2748.

24. Souchier M, Joffre C, Gregoire S, et al. Changes in meibomian fatty acids and clinical signs in patients with meibomian gland dysfunction after minocycline treatment. Br J Ophthalmol. 2008;92:819–822.

25. Yalcin E, Altin F, Cinhuseyinoglue F, Arslan MO. N-acetylcysteine in chronic blepharitis. Cornea. 2002;21:164–168.

26. Yoo SE, Lee DC, Chang MH. The effect of low-dose doxycycline therapy in chronic meibomian gland dysfunction. Korean J Ophthalmol. 2005;19:258–263.

27. McCulley JP, Dougherty JM, Deneau DG. Classification of chronic blepharitis. Ophthalmology. 1982;89:1173–1180.

28. ICH. E6 Good Clinical Practice: Consolidated Guidance. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

29. ICH. E8 General Considerations for Clinical Trials. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

30. ICH. E9 Statistical Principles for Clinical Trials. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

31. ICH. E10 Choice of Control Group and Related Issues in Clinical Trials. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

32. ICH. E5 Ethnic Factors in the Acceptability of Foreign Clinical Data. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

33. Cohen J. Statistical Power Analysis for the Behavioral Sciences. 2nd ed. Hilldale , NJ : Lawrence Erlbaum Associates; 1988.

34. Mazen A, Magid M, Hemmasi M, Lewis MF. In search of power: a statistical power analysis of contemporary research in strategic management. Acad Mgmt Proceed. 1985;30–34.

35. ICH. The Extent of Population Exposure Required to Assess Clinical Safety for Drugs Intended for Long-term Treatment of Non-lifethreatening Conditions. Available at http://www.ich.org. Accessed July 16, 2010.

36. DEWS. The definition and classification of dry eye disease: report of the Definition and Classification Subcommittee of the International Dry Eye WorkShop. Ocul Surf. 2007;5:75–92.

From the 1 Department of Ophthalmology, Mount Sinai Medical Center, New York, New York; the 2 School of Optometry and Vision Science, University of New South Wales, Sydney, New South Wales, Australia; 3 Läkemedelsverket, Medical Products Agency, Uppsala, Sweden; 4 The Wilmer Eye Institute, Johns Hopkins Hospital, Baltimore, Maryland; the 5 Department of Surgical Specialties, Section of Opthalmology, University of Messina, Messina, Italy; 6 Schepens Eye Research Institute, Boston, Massachusetts; 7 Georgetown University, Washington, DC; and the 8School of Optometry, Ohio State University, Columbus, Ohio.

Supported by the Tear Film and Ocular Surface Society (TFOS: http://www.tearfilm.org): individual author support is listed in the Appendix of the Introduction.

Submitted for publication December 6, 2010; accepted March 23, 2011.

Disclosure: Each Workshop Participant's disclosure data can be found in the Appendix of the Introduction.

Corresponding author: Kelly K. Nichols, College of Optometry , 338 W. 10th Avenue , Ohio State University , Columbus , OH 43210-1280 ; knichols@optometry.osu.edu.